元タカラジェンヌ桐生のぼるさんをゲストに迎えて母校、甲陽学院の同窓会会員総会が8月30日、午後1時からノボテル甲子園で開かれた。恒例により物故者黙祷、西村貞一同窓会会長挨拶、山下正昭、中学・高校校長から母校の近況報告と続いた。ちなみに桐生のぼるさんのご子息は母校後輩である。

同窓会長挨拶では、母校在校生への同窓会奨学金ファンドの対象者に特筆すべき活動を行った学生も加えることとした。奨学金受給希望者は増えており、一人でも多くの拠金をお願いしたいなどの話があった。

山下校長の挨拶では、創立100周年記念事業の一環として新しい講堂建設を進めているが、入学式、卒業式などに特に最近は祖父母同伴が目立つようになった。講堂のスペースをどこまで広げるかが悩みの種だったがようやくそれも落ち着いたという話があり印象に残った。

昨年度卒業生201名中、文科系志望学生の比率が20%を切った。理科系の学生のうち、医者志望の学生が60%を占めたという。12歳から18歳の6年間は人格形成においても最も多感な時期である。患者の目を見て診察しない、触診がない。データ重視のぬくもりに欠ける医者が増えたと伝えられるだけに複雑な気持ちで山下校長の話を聞いた。

桐生のぼるさんの講演がはじまった。テーマは「もてる男になる方法」である。「もてる男のイメージは?」と会場に問いかけるアンケート方式で講演は進んだ。加山雄三の名を挙げた出席者がいた。「女性の話をよく聞く男性」との答えに桐生のぼるさんは高く評価した。

桐生のぼるさんは宝塚入団後、男役を8年つとめたあと娘役に変わった。男役は朝6時半から稽古が終わる午後10時過ぎまで絶対に腰を下ろさないという話が特に印象にのこった。何故か。パンツの線を絶対に崩さないためだと明快だった。

男役たる者、姿勢が全てを決める。美しい姿勢を確保するために何がポイントかと問いかけた。①おしり、②胸、③気合。正解はおしり。おしりを絞めて上にあげると間違いなく姿勢はよくなる。もてますよ、と云って桐生さんは会場を沸かせた。

1階の「鳴尾の間」から第二部は2階の「甲陽の間」に移して白いドレスに衣装替えした桐生さんのショーがはじまった。ベルサイユのばらの主題歌やオオサンジェリーなどの歌と踊りを満喫した。今年西宮市長に当選した母校後輩,今村岳司さんの挨拶と続いた。校歌を歌い、青春時代にプレーバック、再会を同窓の仲間と約して会場を後にした。

帰路、最寄駅阪神甲子園駅改札付近はまだ午後4時半すぎだったが、6時から始まる阪神ヤクルト戦を控えて、すでにごった返していた。(了)