陶芸家、田中和人作陶展が阪急梅田店7階美術画廊で3月26日まで開かれている。本日は初日、楽しみして出かけた。あいにくの雨模様だったが、彼岸の入りということもあって、JR大阪駅コンコースからデパート入口まで人、人、人でごった返していた。美術画廊を訪れたのは大改装後初めてだった。
地下1階の入り口からエレベターに乗った。エレベーター乗り場へのアクセスが昔と比べ分かり易くなっていた。エレベーターを降りて画廊までの通路もゆったりしている。以前は阪急うめだ店には狭苦しいイメージが強かった。大改装の一つの成果かもしれない。 田中和人さんに会うのは、19回作陶展以来で、2年振りだった。開口一番、来訪者のひとりに、「田中、おまえ、えらい老けたな」と言われたそうだ。1945年生まれだから、まだまだ老け込む年でない。益々、深みのあるお顔になられましたと氏を激励した。 会場に作陶中、文字通り陶器と氏が格闘する様を伝える写真二枚が飾ってあった。どの世界でもそうだと思うが、以前登り窯を見せていただいた時も感じたが、窯の温度を保つため、3日徹夜が続くなど、特に陶芸の仕事は格闘技そのもであるとつくづく思う。年齢を重ねていけばいくほど、気力体力充実してなければ生半可には、続けられる仕事でないことだけは確かだろう。 会場で、木蓮が活けられた壺が一番お気に入りだと話してくれた。「壺をしっかり描いといて」と念を押されて力が入った。肝心の壺をさておいて、会場にお見えだった奥様に、「見事な木蓮ですね」、と水を向けた。「20数年前、前庭に植えた時は、ほんの10数センチの苗木だった。それが大木に育ちました。」とご披露いただいた。 いつものように会場をスケッチしていたら、美術画廊売り場係のさるご婦人が「第19回作陶展の時も描かれていましたね。インターネットで見ました。暖かい感じを受けました。」と嬉しい言葉、大いに力をただいた次第である。 会場最寄にお出かけの向きは、時間が許せば、田中和人作陶展へお運びいただければありがたい。(了) |